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© 住宅での受動喫煙被害を考える会・兵庫

一戸建て住宅の不動産取引で三次喫煙(サードハンドスモーク)の情報開示を義務付け【アメリカ】

カリフォルニア州法AB 455

本年1月1日、一戸建ての住宅不動産取引において三次喫煙汚染の開示を義務付ける世界初の法律が、アメリカのカリフォルニア州で施行されました。

この法律はサンディエゴ州立大学の研究者らの研究を基に州議会議員のリズ・オルテガ氏が起草し、組織的な反対に遭うことなく、2025年9月4日の州議会の両院で超党派の支持を得て全会一致で可決、同年10月3日知事に承認され国務長官に提出されたAB 455です。
一戸建て住宅の売主が屋内での喫煙、電子タバコの使用、または受動喫煙による汚染を実際に知っている場合、不動産取引時に購入希望者に対して三次喫煙の汚染を書面で開示するよう義務付けています。
この開示義務は、当該不動産内における紙巻きタバコ、葉巻、パイプタバコ、ニコチン含有電子タバコ製品(電子ニコチン供給システム)使用歴も含まれます。

AB 455における三次喫煙(サードハンドスモーク)の定義

AB 455は、第1条で三次喫煙を次のように定義しています。

(a) 「三次喫煙」とは、タバコの煙によって残留する有害な化学物質の残留物です。カーペット、壁、家具に蓄積し、建材に染み込み、喫煙をやめた後も何年も残ります。
(b) 間接喫煙で汚染された建物では、居住者は1986年施行の州法65に記載されている10種類以上の有毒化学物質に曝露されます。

州法65で特定されている10種類以上の化学物質に曝された居住者は、先天性欠損症、生殖障害を引き起こす可能性があります。

AB 455起草者・研究者らのコメント

AB 455の起草者であるオルテガ氏は、
「この法律は国内初であり、住宅購入者が有害物質の残留物から家族を守るのに役立つだろう」
と述べています。

また、研究論文“Persistent tobacco smoke residue in multiunit housing: Legacy of permissive indoor smoking policies and challenges in the implementation of smoking bans”の筆頭著者であるジョージ・E・マット博士は、
カリフォルニア州は、三次喫煙を環境危険源(環境ハザード)として認識し、情報開示を義務付けることで、タバコ規制の範囲を拡大しました」
「鉛塗料やアスベストについて警告するのと同様に、カリフォルニア州民は今後、住宅が有害なタバコの煙の残留物にさらされる可能性がある場合にも警告を受けることになります。住宅購入者として、購入の申し込みをする前にこの情報を知っておくことが重要です」
屋内での喫煙や電子タバコの使用がもたらす有害な影響は、個人の行動にとどまらず、健康や経済に深刻な影響を及ぼす環境問題であると認識しています」
と述べています。

2025年11月、この画期的な法案の規定と消費者の健康を守るうえでの重要性についての概説をマット氏と共に米国医師会雑誌(JAMA)に発表したUCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)医学名誉教授のニール・L・ベノウィッツ氏は、
「三次喫煙は、単に家の中に不快な臭いを漂わせるだけではありません。タバコの煙に由来する潜在的に有害な化学物質で家が汚染されていることを示しています」
「住宅購入者は、将来の住宅が汚染されているかどうかを知る権利があり、これらの化学物質の除去費用について決定権を持つべきです。AB 455は、購入者に三次喫煙の危険性について情報提供することを現実のものにするでしょう」
と述べています。
“California’s New Landmark Thirdhand Smoke Disclosure Law”では、AB 455により、三次喫煙がアスベスト・ラドン・鉛塗料に匹敵する環境危険源(環境ハザード)として法的に警告の対象となったことは公衆衛生上重要であるとし、この認識の変化は、紙巻きタバコ喫煙や電子タバコベイピングが他者に有害な影響をもたらすことから、タバコ製品使用の権利は非使用者の権利を侵すことができない、という主張に発展したと論じています。

 

【参考】
California AB 455 is Nation’s First Law Requiring Home Sellers to Disclose Thirdhand Smoke Hazards(2025.10.3)
California Enacts World’s First Thirdhand Smoke Disclosure Law: Landmark Public Health Advance Published in JAMA(2025.11.20)
SDSU research leads to law safeguarding homebuyers against thirdhand smoke exposure(2025.12.4)
California becomes first state to require thirdhand smoke disclosure in home sales(2026.1.9)