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© 住宅での受動喫煙被害を考える会・兵庫

産経新聞Web版で当会が紹介されました

5月24日付産経新聞Web版「『臭いにおびえて転居』の現実 コンセント穴から隣家のタバコ臭 抗議でクレーマー扱い」の記事中で、当会で行ったアンケート調査の内容が紹介されました。

記事にあるように、近隣からの受動喫煙被害者は、被害を我慢したり、改善を訴えてもクレーマー扱いされるなどの二次被害に苦しんだりすることが多々あります。記事では臭気判定士の方の談話も紹介されており、マンションの場合、室内で喫煙しても近隣の部屋に臭いが漏れ出る可能性を指摘しています。
住宅での受動喫煙は、現在被害に遭っていない人でも、ある日突被害者の立場に立たされる可能性がある問題です。

当会のアンケートに

社会全体で受動喫煙についての理解が極めて弱すぎる。
理解がなされていれば、被害者が泣き寝入りすることもないし、そもそも被害も出ないはずである。

という声が寄せられました。
この声のように、社会全体で受動喫煙について正しい理解があれば、少なくとも、被害者が泣き寝入りすることもなく、記事中にあるような二次被害を受けることもないはずです。

タバコの害は科学的に決着がついており、受動喫煙についても、A Report of Surgeon General(米国公衆衛生総監報告)“The health consequences on involuntary exposureto tobacco smoke”(2006)で、「(受動喫煙の有害性に関する)議論は終わった。科学的証拠は明白」で「リスクのないレベル(閾値)は存在しない」と結論が出ています*1

にもかかわらず、なぜ被害者が泣き寝入りしたり、二次被害を受けたりすることがあるのか。
これは当会の推測ですが、たとえ非喫煙者でも大半の人は喫煙(タバコ製品の使用)を個人的な問題だと考えていて、受動喫煙の被害を訴えると、喫煙の自由(タバコを吸う人の自由)を侵害するように感じるのだと思います。とくに住宅は私的空間のため、いっそう強く感じるのかもしれません。

しかし、少し考えればわかることですが、この問題は、空気にタバコ煙が混じることにより受動喫煙が生じ、非喫煙者の日常生活の自由が侵害されることから始まります。先に自由を侵害されるのは、非喫煙者なのです。受動喫煙被害者が訴えているのは「私たちの吸う空気を汚さないで」ということだけです。

当会のアンケートは現在も継続しています。
より多くの方々に、被害の深刻さを理解してもらい、いつ誰の身に起きてもおかしくない問題であることを認識してもらうためにも、被害者の方にはぜひ、経験談をアンケートフォームからお寄せください。
ご協力を、お願いします。

*1 The Health Consequences of Involuntary Exposure to Tobacco Smoke
A Report of the Surgeon General
Office on Smoking and Health (US).
Atlanta (GA): Centers for Disease Control and Prevention (US); 2006.