Q.質問
自宅にいると、どこからともなくタバコの臭いが漂ってくるようになりました。不快な思いをしていましたが、そのうちに喉の痛みや頭痛もしてきました。この先もずっとこの状況が続くかと思うと、不安で仕方ありません。どうすればよいでしょうか。
A.回答
当ホームページの事例集に代表的な被害事例を掲載していますが、どのケースでも被害者は受動喫煙を重ねるうちに体調が悪化しています。
いったん体調が悪化すると回復に時間がかかり、場合によってはタバコ以外の物質でも体調悪化を起こすようになります。
可能なかぎり受動喫煙を避ける工夫をしてください。
換気について
窓を閉めていても臭いは入ってきます*。高額な空気清浄機でも、タバコの臭いや有害物質を完全に取り除くことはできません。
重要なのは「室内を陰圧(外よりも気圧が低い状態)にしないこと」です。屋外よりも室内の気圧が低いと、室内に空気が流れ込んできます。タバコ臭のする部屋の窓をあえて開け、扇風機などで室内の空気を外に出す、などの方法もあります。24時間換気システムがある場合は、停止してください。作動させたままだと延々と臭いが入ってきます。
* 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
e-ヘルスネット「たばこ対策の推進に役立つファクトシート ー2021年版」
5.集合住宅等の受動喫煙トラブル
受動喫煙の記録について
今後のために記録をとるようにしてください。受動喫煙被害の解決には、多くの場合、周囲の助けが必要です。被害を理解してもらうために、客観的なデータがあると説得力が増します。同居人がいて同じように被害を受けている場合には、その証言も文字として残しておくことをお勧めします。
具体的には、タバコ臭がしてきた日時、どこで、誰が、どのような被害を感じたか、その結果どのような症状が出たのか、などです。思い込みや大げさな言い方をしているのではないことを、周囲の方に理解してもらうためのものです。
そして、必要であれば、医療機関で診断書を取得してください。
第三者への相談について
同じように被害を受けている、ほかの住民の方はいますか? ご近所付き合いがある場合は、確認してみましょう。そして、一戸建てであれば自治会や町内会、マンションであれば理事会や管理会社に相談してください。居住する自治体の受動喫煙対策の担当部署や、福祉関係の組織や団体、地域の議員が力になってくれる場合もあります。
まずはチラシを掲示、配布してもらいましょう。その際、健康増進法では、「喫煙をする際、望まない受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならない」(27条1項)とはっきり定められていることを明記してもらってください。
味方を増やしましょう
受動喫煙でつらい毎日を過ごしていると、「一刻も早くなんとかしたい、なんとかしてほしい…」という気持ちになります。しかし、初動のチラシで解決しない場合、たいへん不条理なことながら、長期戦になるケースがほとんどです。客観的なデータを示し、冷静に、困っていること、力になってほしいことを相談相手に伝えてください。そしてもちろん、1人よりも複数人で被害を訴える方が、より説得力が増します。
同居人がいる場合は、問題を共有し、対応策についてよく話し合っておくことも大切です。
あなたの味方を増やしてください。