Q.質問
管理会社の担当者は、「ベランダは共用部なので禁煙は当たり前」と言ってくれましたが、「昔はどこででも吸えていたのに、今は喫煙者の肩身が狭くなって気の毒だ」「迷惑をかけてはいけないが、喫煙者にも喫煙する権利がある」とも言っていました。「喫煙する権利」というのはあるのでしょうか。
A.回答
喫煙が権利であるか否かは法的には断定されていません。「喫煙する自由」は一応認められていますが、喫煙は権利ではなく、責任を伴う自由の範疇であると当会は考えています。
最高裁判所大法廷昭和 45 年 9 月 16 日判決で「喫煙の自由は、あらゆる時、所において保障されなければならないものではない」と判示されています。
最高裁調査官によれば、喫煙の自由は「権利」とまでは断定されておらず、仮に権利だとしても「制限に服しやすいものにすぎない」とも解説されています。
また、現在ではタバコの依存性・有害性が明らかとなっており、WHOの国際疾病分類の中でも、習慣的な喫煙行為はニコチン依存症であると位置づけられています。
医学的には、喫煙は「権利」ではなく、「依存物質の摂取行動」であると認識されており、受動喫煙の有害性も明らかです。
他者が受動喫煙に遭う場合には、喫煙は制限されてしかるべきと、当会では考えています。