Q.質問
隣人が管理会社に対し、「被害を受けていると言っている人は、自分にどうしてほしいと言っているんですか?」と聞きに来たそうです。窓を開けて室内で吸っても、それではベランダで吸っているのと同じなので、とにかく窓を閉めてもらいたいです。そのように伝えればよいでしょうか。
A.回答
相手に受動喫煙で困っていることを伝えると、「じゃあどうしてほしいんですか」「どうすればいいんですか」と聞かれることがよくあります。
例えば、「誰にも迷惑にならないよう、遠くで吸ってください」「禁煙してください」などとお願いすると、喫煙者から「それはできない」「そこまで強要されるいわれはない」などと反論されることが往々にしてあります。「では、窓をしっかり閉めてください」と言った場合、「じゃあ、それだけはします」と聞き入れてくれたとしても、Q1で述べたように、窓を閉めても臭いは入ってくるため、被害は続きます。被害が続いていることを申し出ると、「言われたようにしているのに、これ以上どうしろというのですか」と、まるでこちらが難癖をつけているかのように言われることも起こり得ます。
喫煙者に限らず、第三者からも含めて「どうしてほしいのか」と聞かれたら、「こちらに臭いが来ないようにしてください」「方法は喫煙している方が考えてください」と言うのも選択肢の一つです。
他方、当会の顧問である岡本光樹弁護士は、喫煙者に方法を考えるよう言っても、具体的な行動の変更が期待できない場合は、被害者側から具体的な提案を出すことを推奨しています。具体策の例については、『住環境トラブル解決実務マニュアル 改訂版』「第8章 タバコ煙害」(発行者:東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会)176~177頁で紹介しています。
その場合、被害者側から具体策を提示する際に、「ただし、この提案は現時点でひとまず考えられる暫定的な案であり、これによっても解決しない場合は、引き続きの対策を要望させて頂くことがあり得ます。」などの留保を付けて提案することもあるそうです。
なお、一刻も早い解決を望むあまり、短期間のうちに交渉を重ねて議論が白熱し、疲弊してしまうこともよくあることです。相手との関係性や周囲の理解度、交渉が難航しそうか、ご自身の体調など、その時の状況により2週間から1か月程度の期間を設定していったん回答を保留し、その間に方向性を模索するという方法もあります。