Q.質問
これほどつらい思いをしているのに、隣人は管理会社に、「そんなにタバコの臭いがイヤならば、禁煙マンションに引っ越してもらえばいいんじゃないか」と言ったそうです。どうして被害を受けている人が引っ越ししなければならないのでしょうか。そもそも近くに禁煙マンションなんてありません。
A.回答
当会も、禁煙マンションが増えてくれることを望んでいます。行政に、法整備や卒煙支援を求めることと並行して、禁煙マンションを増やすような施策を求める要望活動も行っていきます。しかし、禁煙マンションが増えても、それ以外のマンションが「受動喫煙を与えても構わないマンション」であってはいけません。重要なのは、どのような住居にも「望まない受動喫煙被害を受けない」環境を整えることです。
住宅での受動喫煙被害は、誰の身にも起こりうる問題です。誰もが、どのような環境でも、安心して暮らせる社会を目指すべきだと当会は考えています。
なお、Q4でご紹介した『住環境トラブル解決実務マニュアル 改訂版』 (発行者:東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会)の「第8章タバコ煙害」175頁で、当会の顧問である岡本光樹弁護士は次のように書いています。
「そもそも加害喫煙者が、喫煙をやめて禁煙・卒煙すれば、この問題は根本的な解決を図ることができる。しかしながら、実際には、タバコ(ニコチン)には依存性があるため、禁煙することは困難を伴うことが多い。
独力で禁煙を試みるよりも、薬局の禁煙治療薬を使用したり、医療機関の禁煙外来(投薬およびカウンセリングを内容とする)を受診したりする方が、禁煙の成功率が高い。禁煙外来の受診を加害喫煙者に勧めることも、検討すべき方針である」
当会では、喫煙者が他者に受動喫煙被害を与えることのないよう、行政に対して、条例や法律の整備を求める働きかけを行いますが、その際には同時に、禁煙・卒煙支援についても要望していくことにしています。またこのホームページでも、さまざまな禁煙・卒煙に役立つ情報をお知らせしていく予定です。