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© 住宅での受動喫煙被害を考える会・兵庫

【Q6】加熱式タバコなら受動喫煙は生じませんか?

Q.質問

隣人が管理会社に、「紙巻タバコはやめて加熱式タバコに変えたから、もう被害はないはず」と言ったそうです。確かに以前とは違う臭いがするようになりました。しかし、不快であることに変わりはありません。加熱式タバコなら安全なのでしょうか。

A.回答

加熱式タバコでも、受動喫煙が生じることはわかっています。

受動喫煙は、タバコの先端の燃焼部分から立ち上る煙である副流煙と、喫煙者の鼻や口から吐き出される煙である呼出煙によって生じます。

加熱式タバコ使用後の呼気にレーザー光線を当ると、エアロゾルが周囲に漂う様子が確認でき、呼出煙が発生していることがわかります (下写真)。*1

また、加熱式タバコからも副流煙となるタバコ煙が発生していることが報告されており、有害成分が多く含まれていることもわかっています。*2

加熱式タバコの受動喫煙の健康影響を調べた研究では、受動喫煙に遭ったことがわかる総ニコチン代謝物は、紙巻タバコと加熱式タバコでそれほど大きな差はなく、加熱式タバコだからといって受動喫煙によるニコチンの曝露量が減ることはない、と考えられる結果が出ました。
さらに、特定の発がん性物質は加熱式タバコによる受動喫煙のほうが、紙巻タバコの曝露量と比べて約4倍も多いということがわかりました。*3

加熱式タバコでも受動喫煙は生じます。

*1:http://www.tobacco-control.jp/heat_not_burn.htm
*2:戸次加奈江、稲葉洋平、「加熱式たばこの副流煙に含まれる有害成分の分析」(令和3年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)分担研究報告書
*3:稲葉洋平ら、「受動喫煙者の尿中ニコチン代謝物の高感度分析の検討と日本人喫煙者及び受動喫煙者のニコチン代謝物量とたばこ特異的ニトロソアミン代謝物量の分析」(令和3年度 厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)分担研究報告書